屈筋支帯

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屈筋支帯

屈筋支帯(くっきんしたい)


屈筋支帯(くっきんしたい、英: Flexor retinaculum)は、前腕の手首部分に位置する筋膜の構造で、手首の屈筋群の腱を保持し、手首の安定性を確保する役割を果たします。
屈筋支帯は、手首の内側に位置し、手のひら側の骨に固定されています。
 
構造と位置

  • 位置: 屈筋支帯は、手首の前面(手のひら側)に横たわっている筋膜で、上腕骨と尺骨の骨端(手首の内側)から手根骨(手首の骨)にかけて広がっています。
  • 形状: 屈筋支帯は、手首の骨に対して弓状の構造を持ち、その下に屈筋腱が通ります。

 
機能

  • 腱の保持: 屈筋支帯は、前腕の屈筋群の腱(長掌筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、浅指屈筋、深指屈筋など)を手首の骨の上に保持し、腱の位置を安定させる役割を果たします。
  • 手首の安定化: 手首を屈曲させる際に、腱が滑らかに動くようにサポートし、手首の安定性を保ちます。

 
臨床的な意義

  • 手根管症候群(Carpal Tunnel Syndrome: 屈筋支帯は、手根管(カーパルトンネル)と呼ばれる狭いトンネルの上部を形成しています。このトンネル内には、正中神経や屈筋腱が通っています。屈筋支帯が厚くなることや炎症が起こると、手根管が圧迫され、正中神経が圧迫されることがあります。これにより、手根管症候群という状態が発生し、手や指に痛み、しびれ、麻痺などの症状が現れることがあります。

 
ケアと予防

  • ストレッチ: 手首や前腕のストレッチを行い、屈筋支帯周囲の柔軟性を保つことで、手首の健康を維持することができます。
  • 休息: 手首の過度な使用を避け、定期的に休息を取ることで、屈筋支帯や手根管への負担を軽減できます。
  • 適切なフォーム: 手首を使う作業を行う際は、適切なフォームや動作を心がけることで、屈筋支帯や手根管への圧力を最小限に抑えることができます。

 
屈筋支帯は、手首の機能と安定性に重要な役割を果たし、手の動作を支えるための基盤となっています。

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