足関節捻挫・足関節靭帯損傷

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足関節・足部障害

足関節捻挫・足関節靭帯損傷


足関節捻挫足関節靭帯損傷は同義語です。
 
靭帯損傷は足関節に限らず3段階に重症度分類されており、
1度:靭帯線維の損傷(所謂“靭帯を伸ばした”)、
2度:部分損傷、
3度:完全損傷です。
 
足関節捻挫の中核前距腓靭帯(外側の前の靭帯)損傷で、所謂“内反捻挫”(内側に捻る)はこれを指します。
足関節は構造上、底屈位(つま先立ちの状態)で非常に不安定で、主に前距腓靭帯がこれを支えます。 
 
治療保存療法が選択されることが多く、その理由は膝と異なり、テーピング・装 具療法の効果が大きいからとされています。
 
競技種目によっては多数回受傷例も少なくなく、回数とともに足関節不安定症に移行しやすくなるため、これを予防するため、手術(靭帯再建術)を行なうこともあります。


(あしかんせつねんざ・あしかんせつじんたいそんしょう)

足関節捻挫・足関節靭帯損傷


足関節捻挫(あしかんせつねんざ)とは、足首の関節周囲にある靭帯が過度に引き伸ばされるか、部分的または完全に断裂する怪我のことを指します。
 
捻挫は、日常生活やスポーツ活動中に最もよく見られる怪我の一つで、足首が不自然に内側または外側にひねられた際に発生します。
 

主な原因

足関節捻挫は、次のような状況で発生します:

  1. 転倒: 足首を不自然にひねって転んだ場合。
  2. スポーツ活動: バスケットボール、サッカー、ランニングなど、方向転換やジャンプが多いスポーツで発生しやすい。
  3. 不安定な地面: 凸凹した地面や不均等な場所で足を捻ることが原因となります。

 

足関節捻挫のタイプ

足関節捻挫は、足首が捻られた方向や損傷の度合いによって分類されます:

  1. 内反捻挫(ないはんねんざ):
    • 足首が内側に捻られて起こる捻挫で、最も一般的です。
    • 外側の靭帯が損傷しやすく、特に前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)が最も影響を受けます。
  2. 外反捻挫(がいはんねんざ):
    • 足首が外側に捻られて起こる捻挫。
    • 内側の靭帯、特に三角靭帯が損傷する場合がありますが、内反捻挫に比べて少ないです。
  3. 高位捻挫(こういねんざ、シンデスモーシス捻挫):
    • 頸骨と腓骨(すねの骨)を繋ぐ靭帯が損傷する比較的まれな捻挫です。

 

症状

足関節捻挫の症状は、靭帯の損傷の度合いによって異なりますが、一般的な症状には以下のものがあります:

  • 痛み: 捻挫の直後に激しい痛みを感じ、靭帯が損傷した部分に強い痛みがあります。
  • 腫れ: 損傷部位が腫れ、時間とともに増していきます。
  • 内出血: 損傷した靭帯周囲に内出血が見られ、皮膚が青紫色になることがあります。
  • 可動域の制限: 足首を動かすことが難しくなり、歩行が困難になることがあります。
  • 関節の不安定感: 足首が不安定に感じ、歩く際にぐらつく感覚があります。

 

捻挫の重症度

捻挫は、靭帯の損傷の程度によって軽度から重度まで3段階に分類されます:

  1. 軽度(1度):
    • 靭帯がわずかに伸びた状態で、痛みや軽い腫れがありますが、歩行は可能です。
    • 靭帯の断裂はないか、ほとんどありません。
  2. 中等度(2度):
    • 靭帯が部分的に断裂しており、腫れや内出血が顕著です。
    • 足首の不安定感が強く、痛みによって歩行が困難になります。
  3. 重度(3度):
    • 靭帯が完全に断裂しており、足首が著しく不安定になります。
    • 強い痛みと腫れが見られ、歩行はほぼ不可能です。

 

診断

医師による診察で、足首の可動域や腫れの状態を確認します。さらに、靭帯の損傷の程度を確認するために、X線やMRI、超音波検査が行われることもあります。これにより、骨折の有無や靭帯の損傷状態を詳しく評価します。
 

治療法

捻挫の治療は損傷の程度に応じて異なりますが、一般的な治療法として以下の方法があります。
 

保存療法

軽度から中等度の捻挫では、保存療法が一般的です。

  1. RICE処置:
    • Rest(安静): 足を使わずに安静にし、足首にかかる負担を軽減します。
    • Ice(アイシング): 腫れと痛みを抑えるために、患部に冷やす処置を行います(120分程度、1日に数回)。
    • Compression(圧迫): 包帯やサポーターを使用して足首を圧迫し、腫れを防ぎます。
    • Elevation(挙上): 足を心臓より高い位置に保つことで、腫れを抑えます。
  2. サポーターやテーピング:
    • 足首を安定させるために、サポーターやテーピングを使用します。これにより、さらなる損傷を防ぎます。
  3. リハビリ:
    • 痛みが軽減したら、可動域の回復や筋力を強化するためのリハビリを行います。ストレッチやバランス練習、筋力強化が含まれます。

 

手術療法

重度の捻挫や靭帯が完全に断裂した場合、手術が必要になることがあります。手術では、損傷した靭帯を修復したり、靭帯の再建を行います。
 

予後

適切な治療を行えば、足関節捻挫の多くは数週間から数か月で回復します。しかし、再発しやすい怪我でもあるため、予防策やリハビリをしっかりと行うことが重要です。
 

予防

捻挫を予防するためには、次のことが推奨されます:

  • 適切なウォーミングアップ: 運動前に足首や脚の筋肉を温め、柔軟性を高めることが大切です。
  • 適切なシューズの着用: 足首をサポートする適切なシューズを選びましょう。
  • 筋力とバランスの強化: 足首周りの筋力を強化し、バランス能力を高めることで、足首の安定性を向上させます。