足関節・足部障害
フットボーラーズアンクル
古くはフットボール選手に多く見られたため、このニックネームが付きました。
学名は「足関節衝突性外骨腫」と言いますが、様々なスポーツ種目で見られるためアスリートアンクルとも言います。
Overuse が原因ですが、基盤に足関節不安定症(度重なる捻挫により関節が緩くて不安定)があるため生じると言われています。
レントゲンで脛骨(すね)と距骨(足首の中心の骨)が衝突して骨が飛び出たように見えたため衝突性外骨腫と命名されましたが、現在では足関節不安定症の産物(変形性関節症)と考えられています。
原則として保存的に加療しますが、骨棘が大きくひっかかり慢性の滑膜炎が続く場合は、内視鏡的に削除することもあります。
(ふっとぼーるあんくる)
フットボーラーズアンクル
フットボーラーズアンクル(Footballer's Ankle)とは、主にサッカー選手や陸上競技者など、足首を頻繁に使うスポーツ選手に多く見られる足関節のインピンジメント症候群の一種です。
正式には足関節前方インピンジメントと呼ばれ、足首の前方(足の甲側)にある骨や軟部組織が衝突してしまうことで痛みや可動域の制限が生じます。
原因
フットボーラーズアンクルは、足首を過度に曲げる動作(背屈、しゃがみこむ姿勢)を繰り返すことによって発生します。以下のような動作が原因となることが多いです:
- サッカーやラグビー: ボールを蹴る際に足首が頻繁に背屈されることによって、足首前方に負担がかかります。
- ジャンプや着地: バスケットボールや陸上競技など、ジャンプや着地の動作が繰り返されることで足首にストレスがかかる。
- 足首の怪我の後遺症: 足首の捻挫や他の外傷が治癒する過程で、骨の変形や軟部組織の肥厚が起こり、足首前方の衝突が発生しやすくなります。
症状
フットボーラーズアンクルの主な症状には次のようなものがあります:
- 足首前方の痛み: 特に足首を曲げたとき(背屈したとき)に痛みが強くなります。
- 可動域の制限: 足首を完全に背屈させるのが難しくなり、スポーツのパフォーマンスが低下します。
- 腫れ: 足首前方に軽度の腫れが見られることがあります。
- 引っかかり感: 足首の動きに引っかかりを感じることがあり、滑らかに動かせなくなることがあります。
- 痛みの慢性化: 症状が進行すると、安静にしていても痛みが持続することがあります。
診断
診断は、主に症状や既往歴に基づいて行われますが、以下の検査が用いられます:
- X線検査: 骨の変形や骨棘(骨の突起)が形成されていないかを確認します。
- MRIやCTスキャン: 軟部組織や靭帯、軟骨の状態を詳しく確認し、損傷の有無を調べます。
治療法
治療は、症状の程度や患者のニーズに応じて異なります。
保存療法
軽度の場合は、次の保存療法が行われます:
- 安静と活動制限: 痛みを引き起こす動作を避け、足首の負担を軽減します。
- アイシング: 痛みや腫れを軽減するために、患部を冷やします。
- 物理療法: 足首の柔軟性や筋力を回復させるためのリハビリテーションが行われます。
- テーピングやサポーター: 足首を安定させ、負担を軽減するために使用します。
- 抗炎症薬: 痛みや炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用することがあります。
手術療法
保存療法で症状が改善しない場合や、骨棘や軟部組織が衝突していることが確認された場合には、手術が検討されます。手術では、以下のような処置が行われます:
- 関節鏡視下手術: 小さなカメラ(関節鏡)を使って、足首の中を確認し、骨棘や肥厚した軟部組織を除去します。
- 骨棘の削除: 足首の骨が衝突しないように、骨棘を削り取ります。
予後とリハビリ
適切な治療を行えば、多くの選手がスポーツ活動に復帰できますが、リハビリが重要です。足首の可動域を回復させ、筋力を強化するためのリハビリを行うことで、再発を防ぎます。また、足首にかかる負荷を減らすためのフォームやトレーニングの見直しも有効です。
予防
- 適切なトレーニング: 足首に過度な負担がかからないよう、適切なフォームでトレーニングを行うことが大切です。
- ストレッチ: 足首周りの筋肉や腱をしっかりとストレッチすることで、柔軟性を保ちます。
- 適切なシューズの使用: 足首をサポートするシューズを使用することで、負担を軽減します。
フットボーラーズアンクルは、適切な治療とケアを行えばスポーツへの復帰が可能ですが、症状を悪化させないために早期診断と治療が重要です。