足関節・足部障害
中足骨疲労骨折
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(ちゅうそつこつひろうこっせつ)
中足骨疲労骨折
中足骨疲労骨折(ちゅうそつこつひろうこっせつ)とは、足の甲にある中足骨に繰り返し負荷がかかることで発生する疲労骨折の一種です。
疲労骨折は、通常の骨折のような一度の大きな衝撃によるものではなく、長期間にわたる反復的なストレスが骨に蓄積して生じます。特にスポーツ選手や長時間立ち仕事をする人など、足に頻繁に負担がかかる人に多く見られます。
中足骨とは
中足骨は、足の甲にある5本の骨で、それぞれ足指と足首の間を繋いでいます。この骨は、歩行や走行、ジャンプの際に足への負荷を支え、バランスを保つ役割を果たしています。
原因
中足骨疲労骨折の主な原因は、過度な負荷と反復的なストレスです。次のような状況で発生しやすいです:
- 激しい運動: ランニング、ジャンプ、長距離走などの激しい運動を繰り返すことで中足骨に負荷がかかります。
- 急激な運動量の増加: トレーニングの頻度や強度を急に上げることが原因で、骨が負担に耐えられなくなることがあります。
- 不適切なシューズ: 足に合わない靴やサポートが不十分なシューズを履くことで、中足骨に過度のストレスがかかります。
- 骨密度の低下: 骨が弱くなる骨粗鬆症や栄養不足も、疲労骨折のリスクを高めます。
症状
中足骨疲労骨折の典型的な症状は以下の通りです:
- 足の痛み: 初期段階では軽度の痛みがあり、休むと痛みが軽減しますが、進行すると安静時でも痛みが持続します。
- 腫れ: 痛みのある箇所に軽度の腫れが見られることがあります。
- 圧痛: 折れている部分を押すと痛みを感じます。
- 歩行時の不快感: 歩行中に痛みが増し、足を引きずるようになることがあります。
診断
中足骨疲労骨折は、医師による診断が必要です。診断には以下の方法が用いられます:
- 視診と触診: 痛みの場所や腫れを確認します。
- X線検査: 骨折が進行するとX線で確認できますが、初期の疲労骨折はX線で見つけにくいことがあります。
- MRIや骨シンチグラフィー: X線で確認できない場合、MRIや骨シンチグラフィーで詳細な骨の状態を評価します。
治療
中足骨疲労骨折の治療は、骨の回復を促進し、再発を防ぐために次のような方法が取られます:
- 安静: 最も重要な治療法は、足にかかる負荷を減らし、骨の回復を促すための安静です。痛みがなくなるまで、運動や長時間の歩行を避ける必要があります。
- サポート器具の使用: 足を固定するために、ブーツやギプスなどを使用し、足の動きを制限します。
- アイシング: 腫れや痛みを軽減するために、アイシングが行われることがあります。
- 理学療法: 痛みが軽減してきたら、理学療法で足の筋力を回復させ、再発を防ぐためのトレーニングを行います。
- 手術: 稀に、骨折が重度である場合や、保存療法で改善しない場合は、手術が必要になることがあります。
予防
中足骨疲労骨折を予防するためには、次の点に気をつけることが大切です:
- 運動量の調整: トレーニングの強度や頻度を急に増やさず、徐々に負荷を増やす。
- 適切なシューズの使用: 足にフィットしたサポート力のあるシューズを履く。
- 栄養管理: 骨を強く保つために、カルシウムやビタミンDなどを含むバランスの取れた食事を心がける。
- ストレッチと筋力強化: 足や足首の筋肉を強化することで、骨への負担を減らします。
疲労骨折は適切な治療を行えば完治しますが、再発を防ぐためにも十分な休息とリハビリが必要です。