膝関節障害
棚(タナ、滑膜ひだ)障害
タナとは膝蓋骨(お皿)の前内側にある滑膜(関節の内張り)のシワで、滑膜ヒダとも言います。
これを関節鏡で覗いた際、物を載せる棚に見えることからこのニックネームが付きました。
スポーツの overuse や関節柔軟性の欠如等で、これが大腿骨内顆関節面で擦れ、部分的な滑膜炎が起こります。
タナの大きさ(幅)は人によって異なり、大きい人のほうがタナ障害になりやすいと言われています。
長年の経過で厚く硬くなったタナは膝蓋・大腿関節に挟まりやすく、click(関節の音)が見られるため、半月板障害とよく間違われます。
ほとんどが保存的に治りますが、まれに鏡視下に切除することもあります。
(たなしょうがい)
タナ障害(滑膜ひだ)
タナ(滑膜ひだ)障害とは、膝関節内に存在する「滑膜ひだ(タナ)」(パリスカひだとも呼ばれる組織)が炎症を起こしたり、膝の動きに影響を与えたりすることで、痛みや不快感が生じる状態を指します。
滑膜ひだは膝の内側に位置する薄い組織で、通常は問題を起こさないのですが、何らかの原因で肥厚したり、膝関節の動きに引っかかることで症状が現れることがあります。
主な症状
- 膝の前方や内側の痛み
- 膝を曲げ伸ばしするときに「引っかかる」感じや、クリック音(クリック感)
- 運動後の膝の腫れやこわばり
- 膝が完全に伸びない、あるいは曲げにくい感覚
- 膝に不安定感を感じることもあります
棚障害は、特に運動中や運動後に症状が悪化することが多く、特にランニングやスクワットなど膝を大きく曲げ伸ばしする動作で痛みを感じやすいです。
原因
棚障害は、以下の要因によって引き起こされることがあります。
- 繰り返しの負荷: 膝関節に対して繰り返される負担や、過度の運動が原因となり、滑膜ひだが肥厚して膝の動きを妨げることがあります。
- 外傷: 膝を強くぶつけたり、ひねったりした際に滑膜ひだが損傷し、炎症を引き起こすことがあります。
- 先天的要因: 一部の人では、滑膜ひだが他の人よりも厚く、動きやすい構造を持っており、これが原因で障害が発生しやすい場合があります。
診断
棚障害は、膝の動きを確認する臨床診察や、MRIなどの画像検査によって診断されます。ただし、滑膜ひだが非常に小さな組織であるため、診断が難しい場合もあります。時には、関節鏡を用いた検査が必要になることもあります。
治療法
- 保存療法: 軽度の症状では、安静、アイシング、抗炎症薬の使用、サポーターの装着などが推奨されます。また、リハビリを通じて膝周りの筋力を強化し、膝にかかる負担を軽減することが重要です。
- 理学療法: 物理療法やストレッチ、膝の安定性を高めるための筋力トレーニングが行われることがあります。
- 手術療法: 保存療法で改善が見られない場合や、痛みが持続する場合は、関節鏡を用いた手術で肥厚した滑膜ひだを部分的に切除することが検討されます。これは比較的侵襲が少ない手術です。
リハビリ
手術後のリハビリは重要で、膝の可動域を回復させ、筋力や安定性を向上させることを目指します。