骨軟骨骨折

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膝関節障害

骨軟骨骨折


離断性骨軟骨炎と同様、骨・軟骨片の関節遊離体(関節鼠)を生じる病態の1つに骨・軟骨骨折があります。
 
しかしながら離断性骨軟骨炎は、基盤に軟骨下骨壊死を起こしやすい状態(素質)が存在すると考えられているのに対して、骨・軟骨骨折外傷により発生します。
 
代表的な発生部位は、膝蓋大腿関節(お皿と太ももとの関節) で、サッカーのキック動作等で膝蓋骨が大腿骨外顆部を乗り越えるときに剥離骨折を起こします。
 
また膝蓋骨(亜)脱臼症候群を有する人も、(亜)脱臼時に同様に剥離骨折を起こすことがあります。
これらの人の多くは X脚傾向で、Qアングルと言って大腿四頭筋と膝蓋腱の角度がきついため起こしやすいと言われています。 
 
関節遊離体(関節鼠)となった骨・軟骨片は内視鏡的に摘出が必要です。


(こつなんこつこっせつ)

骨軟骨骨折


骨軟骨骨折(osteochondral fractureとは、骨とその表面を覆う軟骨が一緒に損傷を受けるタイプの骨折を指します。
 
通常の骨折と異なり、骨だけでなく関節を保護する役割を持つ軟骨も同時に損傷されるため、特に関節の機能や安定性に影響を与えやすいです。関節を多く使う部位、例えば膝や肘、足首などでよく見られます。
 

主な症状

  • 関節の痛み: 骨と軟骨が損傷するため、痛みが激しいことが多いです。特に関節を動かすときに強い痛みが出ます。
  • 関節の腫れ: 損傷した部分に炎症が起こり、腫れが生じることがよくあります。
  • 関節の動きに制限: 骨と軟骨の損傷によって関節が硬くなり、動かしにくくなることがあります。
  • 不安定感: 損傷部位によっては関節が不安定になり、関節が「ガタつく」感覚が生じることがあります。
  • 軟骨片の遊離: 骨軟骨の破片が関節内に留まり、「ロッキング」という症状を引き起こすこともあります。これは、破片が関節内で引っかかり、関節の動きを妨げる現象です。

 

原因

骨軟骨骨折は、通常、外傷や繰り返されるストレスによって引き起こされます。

  • 強い衝撃: スポーツ中の転倒や衝突、交通事故など、外部からの強い衝撃によって骨軟骨が損傷することがあります。
  • ねじれや圧迫: 関節に過度のねじれや圧力が加わる動作が原因で骨軟骨が損傷する場合があります。
  • 繰り返しの負担: 長期間にわたる関節の過度な使用や、繰り返される小さな外力も、骨軟骨の劣化や骨折を引き起こすことがあります。

 

診断

診断は、通常、問診や臨床診察を行った上で、X線、MRICTスキャンなどの画像診断によって行われます。これにより、骨と軟骨の損傷具合を正確に把握します。
 

治療法

治療法は、損傷の程度や部位によって異なりますが、保存療法と手術療法が主な選択肢となります。
 

保存療法

  • 安静: 軽度の骨軟骨骨折では、関節を安静に保つことが推奨されます。
  • アイシング: 炎症や腫れを軽減するために、患部を冷やします。
  • 固定: ギプスやサポーターを使って関節を固定し、骨軟骨が回復するのを促進します。
  • リハビリ: 筋力強化や柔軟性の回復を目指して、関節周囲の筋肉を鍛えるリハビリが行われます。

 

手術療法

重度の損傷や保存療法で改善が見られない場合、手術が必要となることがあります。

  • 関節鏡手術: 関節鏡を使用して損傷部分を修復する手術が一般的です。軟骨片を固定したり、遊離した軟骨片を除去する処置が行われます。
  • 骨移植や軟骨移植: 重度の損傷の場合、骨や軟骨を移植して関節の機能を回復させる手術が行われることがあります。

 

リハビリと予後

手術後や保存療法後のリハビリは非常に重要で、関節の可動域を回復させ、筋力を増強し、関節の安定性を確保することが目指されます。リハビリ期間は損傷の程度によりますが、適切なケアとリハビリにより、関節の機能が回復することが期待されます。
 
ただし、重度の骨軟骨損傷では、関節の長期的な機能低下や変形性関節症のリスクがあるため、早期の診断と治療が重要です。